今年も宮古・田老に修学旅行 東京の桐朋中

 

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三陸にまた来たよ―。東京都の桐朋中(片岡哲郎校長)の3年生276人が、4泊5日の修学旅行で本県を訪れている。震災の影響で本県の修学旅行受け入れが激減する中、1985年から訪れている同校は今年も見学先の一つに宮古市田老を選んだ。2クラスの92人が20日、田老の惨状に心を痛めながらも「今までよりいい街になってほしい」と三陸の復興を強く願った。

 92人は津波が浸水した田老一中の校舎内を見学後、巨大防潮堤の上で、家屋がなくなった土地などを盛んにカメラに収め、三陸鉄道宮古駅に向かった。
 男子生徒は「人が造った物が壊され、階段の手すりもひしゃげている。生きているだけでありがたい」と目の当たりにした被災地にショックを受けた様子。別の男子生徒も「最初は行っていいのかと思ったけど来てよかった。大人になってからまた来て復興したところを見たい」とエールを送った。
 同校は例年と同じ宮古市内の宿泊場所を確保するのが難しく、雫石町内を拠点にして沿岸行きを決断。生徒や教師から「何としても行きたい」との声が高まったからだ。
 保護者からの反対もなかったという。
 一行は岩泉町の龍泉洞も見学。例年、関東や北海道から20校余りが修学旅行に訪れているが、今年は桐朋中が初めてで今後の受け入れ予定もないという。
【写真=巨大防潮堤の上で震災の爪痕を見学する桐朋中の生徒=宮古市田老】
 
岩手日報 2011/10/21