室内実験実習講座 ―解剖~人工授精まで―

今日は、東京・両国駅近くにある安田学園中学高等学校で、東京生物クラブ連盟主催の「室内実験実習講座」が行われました。
この講座は毎年行われているもので、生物に関する実験や観察をしています。これまで、PCR法についてやったり、イカの解剖をやったりと、様々なことが行われてきましたが、今年は -基礎実験の方法と実際- というテーマのもと、アフリカツメガエルの卵割の観察や成体の解剖を行いました。


両国散歩編」に続き、実習自体の内容について。
イメージ 1
こちら、会場の様子。総勢170人で、3つの教室を使って行われました。うちの部からは9人+顧問。

解剖(精巣を取り出す)
まずはアフリカツメガエルの成体の解剖をしました。
形態の観察をし、さらにあとでやる人工授精のために精巣を取り出すという内容。

イメージ 3
こちらがそのアフリカツメガエル Xenopus laevis  (英:South African clawed flog)
氷水で冷やされていました。


・延髄を解剖バサミで切断
正中線に沿ってはさみを入れる
・足側、手側にはさみを入れる
正中線をはずしてはさみを入れる
・手の付け根をめがけてはさみを入れる

などの流れという説明を受け、やっていきました。
イメージ 4
写真の黄色い部分、脂肪体を引き出すと、クリーム色で米粒くらいのものが出てきます。
それを綺麗に切り取る。
イメージ 5
綺麗に切り取れていませんが、これがその取り出したものです。
これが精巣です。

そして続いての工程に。

精子懸濁液の調整
内容:
・生理食塩水を入れたチューブ内で精巣を細断する
・それを生理食塩水で希釈する(精子懸濁液完成)
・出来た液を氷上で保存

イメージ 6
出来あがった精子懸濁液
イメージ 7
氷上で保存

人工授精
・シャーレにとった未受精卵に精子懸濁液をかけ、軽く混ぜる
・蒸留水を注ぎ、卵を水中に沈める


イメージ 8
未受精卵
色々と事故発生
イメージ 9
人工授精後の卵
最終的にこんなふうになりました。

受精卵の観察
●動物極が上を向くまで

受精が正常に起きると、20~30分で卵の黒い半球部分(動物極側)が上を向きます。
受精が上手くいかず、死んだ卵はそれが起こらず、白くなります。
前段階の人工授精でミスしたため、ちゃんと動物極が上になってくれるか心配に・・・

イメージ 10
こちらは受精直後の様子。それぞれ向きがばらばらです。

そして、
上の写真から22分後・・・
イメージ 2
おおおおー。素晴らしい。
綺麗にみな黒い側を上にしています。うまく受精できていたんですね。

ここまでで午前の部は終了。このあと、卵割の観察をします。

23度の場合、受精から第一卵割まで90分ほどとのこと。
ちなみに今回私らが人工受精させたのは11時20分頃。


午前中の内容が書き終わったということで、もう疲れたので続きはまた別の記事ということで。




つづく