室内実験実習講座 ―卵割―

今日は、東京・両国駅近くにある安田学園中学高等学校で、東京生物クラブ連盟主催の「室内実験実習講座」が行われました。
この講座は毎年行われているもので、生物に関する実験や観察をしています。これまで、PCR法についてやったりイカの解剖をやったりと、様々なことが行われてきましたが、今年は -基礎実験の方法と実際- というテーマのもと、アフリカツメガエルの卵割の観察や成体の解剖を行いました。


この記事では、『散歩編』、『解剖、人工授精編』につづき、卵割について書いていきます。


11:20ごろ 受精


11:40(20分後)

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昼休憩

昼の休憩はかなり長かったので、ちょっと外出したりもしましたが、それでも暇だったので実験部屋に戻りました。

12:50(1時間半後) 「2細胞期」 第一卵割

見てみると・・・ もう第一卵割が起こっていました。
第一卵割は動物極と植物極を結ぶように起こり、2個の割球を生じます。
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顕微鏡で見なくても、肉眼で二つになったのが確認できます。
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13:30(2時間10分後) 「4細胞期」 第二卵割

第一卵割面と直交するように第二卵割が起こりました。4つの割球に(4細胞期)。
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13:58(2時間38分後) 「8細胞期」 第三卵割

第三卵割は水平な面で起こるので、上から軽く見ても8つ確認しにくいです。
このとき、卵割は植物極(白色、下側)のほうでは起こりにくいため、割球の大きさはこの時点で全てが同じではなくなります。といっても上からの画像じゃよく分かりません。
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14:25(3時間5分後) 「16細胞期」 第四卵割

14時25分ごろには、一部の卵で第四卵割がおこるようになりました。
第三卵割は水平な面で起こりましたが、第四は第一、二と同じく垂直な面です。なので目で見て細胞が増えたのがすぐわかります。
↓14:28頃の写真
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14:57(3時間37分後) 「32細胞期」 第五卵割

第五分割で、割球は32個に。
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我々のところの卵割はこのあたりまでの観察でした。時間的にこれ以上は出来なかったので。

「64細胞期」

私の隣のテーブルの卵は発生が早く、もう64細胞期まで行ってるんじゃないかなというものも。
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このくらいまでくると、「桑実胚期」と呼ばれるようになります。桑の実に似た形だからです。

「胞胚期」

桑実胚より卵割が進み、胞胚期になると「胞胚腔」が内部の動物極側に生じます。
卵を切り、これを観察しようという企画があったのですが、上手く切ることは出来ず、結局見られませんでした。

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胞胚期として配られたもの

幼生

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原腸胚期や神経胚期、原芽胚などを経て、おたまじゃくしに。


というのが大体の流れです。
目の前で、短時間のうちにこのように発生が進むというのは面白いですね。
資料集の写真を見るようなことと、やはり実際に自分で観察するのは大きく違います。
ぶっちゃけまだ習っていない部分なので卵割については全然知りませんでしたが、かなり理解を深められました。
毎年室内実験実習講座では貴重な体験をさせていただいており、感謝です。

長くなりましたが、これで終わります。
これでもかなり端折ったんですがね。


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卵割編(午後の実習内容) (この記事)