これまでは、繁殖への悪影響を避けるため公開していなかったが、順調な繁殖ぶりを受けて方針を見直す。多摩動物公園(東京都日野市)などでも、本物のトキを見られることになりそうだ。
トキは、佐渡市の同センターで飼育繁殖と野生復帰が進められている。鳥インフルエンザなどで全滅するのを避けるため、2007年以降、多摩動物公園のほか、いしかわ動物園(石川県能美市)、2か所のトキ分散飼育センター(島根県出雲市、新潟県長岡市)に順次移送。現在は各施設で10羽前後ずつ飼育している。
昨春には自然界で36年ぶりにひなが誕生し、飼育繁殖は軌道に乗った。分散飼育施設も公開を要望しているため、環境省は「取り組みに対する社会の理解が進む」と判断。トキに負担をかけない公開方法などを、1~2年かけて専門家会合で検討することにした。
(2013年3月8日15時05分 読売新聞)