記録的大雪 2/14~15


気象概況 東京管区気象台 気象速報より

 2月13日21時に南西諸島で発生した低気圧は、本州の南海上を北東に進み、次第に発達しながら15日明け方から昼頃にかけて関東地方沿岸に接近した後、関東の東を北東に進んだ。また、関東地方の上空約1500メートル付近には-6℃以下の寒気に覆われていた。
 この低気圧と上空の寒気の影響により、14日早朝から各地で雪が降り続き、関東甲信地方では先週(2月8日から9日)に引き続き大雪となった。特に、山梨県では記録的な大雪となり、山梨県甲府市では月最深積雪が114センチと統計開始以来の極値更新したほか、群馬県前橋市で73センチ、埼玉県熊谷市で62センチと8地点で統計開始以来の極値を更新した。
 また、関東地方南部を中心に南から湿った空気が流れ込み、大気の状態が不安定となったため、局地的に激しい雨が降り、伊豆諸島や関東地方南部、東海地方の沿岸部などで14日から16日までの総降水量が100ミリを超えた所があった。特に、茨城県戸市では、日降水量が142.5ミリと2月としての極値を更新する大雨となった。
 日最大風速は、14日から15日は太平洋側の沿岸部を中心に、16日は日本海側を中心に強い風が吹き、伊豆諸島や関東地方南部の沿岸で20メートルを超える非常に強い風の吹いた所もあった。
海上は、14日から波が高くなり15日は6メートルを超える大しけとなった。

自宅周辺の状況

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グラフ上:積雪深の推移(車の上) 2月8日と今回のデータ比較
グラフ下:積雪深の推移(庭・土の上) 2月8日と今回のデータ比較

※庭に関しては、まだ8日の雪が残っていたが、今回は事前に8日の雪を無くしたところで計測した。

14日明け方から降り出した雪は、朝7時半の時点では土や植物、塀の上にうっすら積もっていた。午前中、雪は降り続いたが、路面は濡れていたこともあり、積雪は土や植物の上等の積もりやすい場所が中心だった。2月8日の雪が残っていた所も多く、残雪の上は積もりやすくなっていた。

午後になって、路面も含めて積雪するようになり、16時の段階では既に人通りの多い路面等にもしっかり積もっていた。16時半の段階で、道路には10cm、ほかは既に15cmに達していた。この時点では8日に比べて積雪深は少ないが、夕方以降は8日よりも早いペースで積雪が続いた。

当初の予報よりも気温が低いまま推移し、14日朝から夜遅くにかけて氷点下だった。

22~23時ごろまでには多くの所で8日の積雪と同じ深さに達し、その後もしばらく雪は降り続いた。15日の未明には車の上で60cm、庭で50cmを超えた。

最深積雪は、庭地面で52cm、庭板の上で59cm、庭塀の上で54.5cm、車の上で63cmなどとなった(いずれも15日午前4時)。いずれも観測をしてきたここ数年間で最も深い。

○ここ数年の主な記録(庭地面)
・2011年2月14日…10.0cm
・2012年2月29日…16.5cm
・2013年1月14日…10.0cm
・2014年2月 8日…35.0cm
・今回…52.0cm

多摩地域、周辺地域の状況

八王子市が1958年~2009年に行った観測では、最も深かったのは1968年の44cmであるため、今回は八王子においても観測史上最深であったとみられる。それは他の気象台、観測所のデータからも窺える(以下)。

最深積雪で統計開始以来の極値更新
(○地点名 月最深積雪 統計開始年月)
○河口湖 143cm 1933年1月
甲府 114cm  1894年8月
秩父  98cm  1926年1月
○前橋  73cm  1896年12月
○熊谷  62cm  1896年12月
○宇都宮  32cm 1890年8月

また、今回は日降水量や24時間最大降水量が2月としては観測史上1位の値であったところも多く、それが雪として短時間で積もったために記録的な大雪になったのだろう。

今回の大雪では、都内では青梅市奥多摩町檜原村の一部で一時、または現在も孤立状態となる集落がでるなど、多くの被害が明らかになりつつある。
JA東京中央会によると19日現在、多摩地域では約750棟のハウスで倒壊や破損が起こっているという(読売新聞)。
また、雪の重みに耐えられず、車庫の屋根やアーケードの崩落が相次いだ。

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14日
7:40 庭
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8日の雪が多く残る。葉の上に新たな雪がうっすら積もっているのが見える。

16:15 大通り
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16:40 庭
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15日
01:30 車
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03:15 庭
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16日
07:00 大通り
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止んでから丸一日経過