釜石副市長ら修学旅行生に震災語る

釜石副市長ら修学旅行生に震災語る

2012年10月20日 朝日新聞
 
イメージ 1 修学旅行で宮古市を訪れた東京の桐朋中学の3年生が19日夜、宿泊先に釜石市副市長や宮古市のタウン誌編集長を招いて、震災や復興について話を聞いた。昼間は被災地を訪ね、「せっかくの機会なので、見るだけでなく」と若い教師らの熱意で懇談会が実現した。
イメージ 2 財務省から釜石市に出向中の嶋田賢和・副市長は、被災地に赴任した思いについて「阪神大震災の時は、中学受験に集中していて何もしなかった。今度は横目でやり過ごしたくなかった」と話すと、生徒たちは身を乗り出した。「復興に東京の中学生ができることはないか」と質問も出て白熱した。
 宮古市のタウン誌編集長で災害FMの呼びかけ人の一人、橋本久夫・宮古市議は、避難所で最も必要な安否や食料の情報が得られなかった体験から、FM発足に奔走したことを振り返った。
 同校は昨年も田老の防潮堤を見学している。今年は4泊5日の後半2日を被災地見学にあて、この日も昼間は旅行会社の手配で三陸鉄道に乗ったり、大槌町を回ったりした。さらに「もっと広い角度から」と小出敦教諭(38)らが講師を探した。同僚教師の中学後輩にあたる嶋田さんと、橋本さんに頼んだ。260人の生徒が入れる場所がなく2会場に分け、講師には2回話してもらった。
 終了後、小出教諭は「昼間、現場でうかがう話は津波の体験談が中心。それも貴重だが、この震災の体験はそれだけではない。それ伝えたかった」と語った。
(伊藤智章)