キタノメダカ、ミナミメダカ

日本産魚類検索 全種の同定の第三版が先月26日に刊行され、その中で「メダカ」に大きな動きがあったということなので紹介します。

以前の記事で取り上げたように、今まで「メダカ」と呼んでいたものには2種存在し(北日本集団、南日本集団と区別されることもあった)、この2種は別種であることから2011年12月にOryzias sakaizumiiが新種記載されました。
Oryzias latipesはこれまで通りメダカという標準和名でしたが、新たに記載されたOryzias sakaizumii には標準和名が付けられていなかったのです。

それが、今回の日本産魚類検索では、
Oryzias latipes がミナミメダカOryzias sakaizumii キタノメダカ
という標準和名で掲載されているとのことです。

つまり、これまでメダカという標準和名だった魚は「ミナミメダカ」となり、標準和名がしばらく付いていなかったメダカ属の一種は「キタノメダカ」という和名となったということです。

キタの方は「ノ」が入ってますが、ミナミの方は「ノ」が入ってません。
キタメダカではなく、ミナミノメダカでもないのでご注意を。

もうメダカという和名の種はいないということになります。
古くから日本人に親しまれてきた「めだか」と言う名は、もう和名としては存在しないわけですね。
いや、突然のことでびっくりしました。



神奈川県立生命の星・地球博物館のHP内で、ここの学芸員が和名をつけたとしてニュースとして取り上げられています。

日本魚類学会 日本産魚類の追加種リストでは、第三版で掲載された種での重要な学名変更や和名の新称や変更について書かれています。