奄美遠征5 ―蛙と鮒と大蚰蜒と。

○19日
この日はオオトラツグミ一斉調査。この調査は奄美野鳥の会が主体となって20年以上行っているもので、奄美固有の鳥類・オオトラツグミの繁殖個体数の増減を把握するために毎年この時期に実施されています。オオトラツグミがさえずるのは夜明け前の薄暗い時間帯なので、この時間帯に現場にいる必要が。つまり朝がとても早い。今回は4時半に住用町マングローブパークに集合し、現地へ。
あいにくの雨で、調査中はさえずりが聞こえにくい状態に。悪天だったことや、今年は奄美の春の訪れが遅れ気味であることが関係したのか、今回は昨年に比べると確認個体数は減少したようです。

さて、せっかく住用まで来たのならもっと遠い瀬戸内方面へ行こうということで、調査後は島の南部へ。

・旧陸軍弾薬庫跡
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この弾薬庫跡は、旧陸軍により昭和七年に構築完成され、戦時中は南西諸島及び南方防衛の海陸空軍弾薬貯蔵補給基地として厳戒体制がとられていたため地元民は、この壕の存在すら知らなかった。
終戦により、武装解除とともに大量の弾薬が運びだされ、当地沖の大島海峡にすれられて、初めて弾薬庫ということがわかった。
この施設の内部は網の目に組まれた鉄骨を厚いコンクリートで固め、さらに銅板を張りめぐらせ空気が洩れないように、又、湿気防止のため周囲は空間を設けて風圧に耐えるために二重壁の構造になっているなど、当時の弾薬庫としては珍しく規模、構造とも日本で最も優れた施設であったと言われている。(瀬戸内町設置の看板より)
中にはコウモリやオオゲジが。
オオゲジ Thereuopoda clunifera
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これはNG。触れたり手に乗せるとかもってのほか。

・ヤドリ浜
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雨の中来るような場所じゃないね。

・ホノホシ海岸
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岸が大きな玉石で覆われているという、珍しい海岸。雨の中来るような場所じゃないね。

その他、せとうち海の駅やいい感じの池に行ったりしましたが、雨が酷くてもうなんだかなあといった具合。

瀬戸内を後にして、風呂、野鳥の会の集まり(夕飯)へ。

夜は少し遠出して両爬を見に行くことに。
もう1台とは完全にはぐれてしまったので、同乗者の改二氏と2人で林道をふらふら。
そして出会えたのが
オットンガエル Babina subaspera
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ずっしりとした体でいながら意外と動きは素早く、感心。

アマミイシカワガエル Odorrana splendida
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美しい。感動。
ついに見たかったカエルと出会え、ここまで来たかいがありました。昨年はアマミアオとアマミハナサキしかカエルは見ていないという悲惨な結果だったので、今年は素晴らしい。

その後、もう1台と合流。むこうはガラスヒバァやハブを見たとのこと。

合流後はイシカワ2個体目を見つけ、皆が見られたことに。
ヒメアマガエル Microhyla okinavensis
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アマミハナサキガエル Odorrana amamiensis 
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アマミアオガエル Rhacophorus viridis amamiensis
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ヒメハブ Ovophis okinavensis
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ハブが見られず残念。

改二氏と哲学の話をしながら帰路につく。

つづく