奄美遠征 03/16

16日

起床。なぜ私が目覚ましを大音量で鳴らすことになったのか、もう思い出せない。
 
前日に行った地点・シュン(仮名)に朝から行ってみました。朝シュン。
また水路を探してみると、昨日より大きいヒメドロが。
これまた美しい。138によると、ウエノツヤだと言う。
 
ウエノツヤドロムシ Urumaelmis uenoi uenoi
ウエノツヤドロムシ Urumaelmis uenoi uenoi
赤い。綺麗。いいですねえ。
このあと、1個体だけ黒いやつが網に入りました。リュウキュウアシナガミゾであろうとのこと。
シュンだけでこんなに色々見られるなんて、驚きです。
 
朝シュンを終え、とある港へ移動。車を停めたあと先輩らと別れ、1年は川の河口へ。
今回の遠征では2台のレンタカーを借りていたのですが、そのうち1台を1年生で使っていいよ、とのことでしたので、ここからは138と2人で湿地帯を巡ることになります。
 
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ここは小規模な川で、採集していた時間帯汽水域はありませんでした。けっこうこの島は山がちなので、常に汽水っぽくなってる川の下流域はあまり多くはないのではないかと思われます。
 
下流側から魚を探していきました。まず入ったのはハゼ。なんかヨシノボリっぽさがあるなあと思ってよく見てみると、これはゴクラクハゼではなかろうか。
 
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ゴクラクハゼ Rhinogobius similis
多分合ってますよね。なんかもっと知らないハゼかと思ったら知ってるやつだった。でも一度にこれだけ多く捕ったのは初めてですので、新鮮な感じです。
 
上流側に行くにつれて種類が増えてきました。
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ナガノゴリ Tridentiger kuroiwae
見た目はヌマチチブに似ているので同属であるとすぐに分かります。本種は南西諸島固有の種で、体側中央に縦帯が入っているのが特徴です。
図鑑ではそれなりに見て知っていたこいつを直接目にすることができたのは嬉しい。
 
 
 
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お、"カワアナゴ"だ、ってところまでは分かるんですが、カワアナゴ属はほぼ経験ゼロなもので、種が分からん。分布からするとチチブモドキ Eleotris acanthopoma かテンジクカワアナゴ E. fusca かオカメハゼ E. melanosoma の3種のいずれかになりますが、暗色時の写真しかないため私のような素人には同定が難しいです。
個人的にはチチブモドキかな~という気がします。
 
 
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これも、"ボラ"の幼魚かな、ってところまではその場で分かるんですが、じゃあボラ科のどれだってなると難しい。私は一番近いのはボラ Mugil cephalus cephalus ?な気がしましたが、何とも言えません。
 
このあたりの同定が不確かな種について、何かご意見があれば気軽にご指摘いただければと思います。
 
 
さて、その後は川の上流部へ。今回の我々の狙いは何といってもノムラエルミス。ノムラヒメドロムシ。すごいやつだという噂だし、名の元にもなっている野村先生とは思わぬところで偶然にも縁があったこともあるし、せっかく奄美まで来たなら見つけるしかないでしょ。ということで、あまり情報はありませんがひたすら探すことに。
 
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奄美大島は海が綺麗なのはもちろんのこと、川も物凄くきれいなんですよね。まあ川が綺麗だから海も綺麗ってのもあるかもしれませんが。
あと、川の水温が適温で良い。入ると冷たくて気持ちいいが、いつまで入っていても凍えることがなく、本当にちょうどいい温度なんです。この時季の奄美の川は快適です。せっかく持ってきたウェーダーは、一切使うことなく旅を終えました。
 
ここではリュウキュウマルガムシやリュウキュウツヤヒラタガムシ、ナガツヤドロムシなどがとれました。どれも本土にはいない種で、リュウキュウマルガムシは奄美固有らしい。
 
あまり時間がないし雨が降ってきていたため、ここでの採集を終えた後は今後行く予定の川の視察を少ししつつ、体験交流館で先輩方と待ち合わせ。風呂。
 
夕食後は夜間徘徊へ。今回はヒメハブやアマミハナサキガエルがいました。
去年よりも明らかに数が少ないそうです。時間のことをあまり考えずに早く来てしまったのも数が少ない要因だったかもしれません。
 
 
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ヒメハブ Ovophis okinavensis 奄美沖縄諸島固有
頭部に損傷を受けたのか、顎がずれて動きがおかしくなっていた個体。
 
 
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アマミハナサキガエル Odorrana amamiensis 奄美群島固有
 
16日終了。つづく