種子島4 ―あの澄みわたる海より深く

8日

この前の川ではヒラヨシが捕れていなかったとまだ思い込んでいたため、ヒラヨシ狙いで川の上流部へ。
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狙い通り、ヨシノボリ類が川の中を何匹も動いているのが見え、捕ることができました。ヒラヨシ、クロヨシ両種がいました。
ヒラヨシノボリ Rhinogobius sp. DL
ケンムンヒラヨシノボリ Rhinogobius yonezawai
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立派な♂。これは美しい。
この独特な頭部の形、そして眼から吻端にかけての赤い条の太さ、そして背鰭、素晴らしいですね。かつて南黒色大型と呼ばれていたのも頷ける姿です。
せっかくなのでもう一個体写真を。
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(追記)2020年3月新種記載されたため種名を更新.

もう昼だったので、島では希少なハンバーガーショップへ。
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ということで続いては海へ。
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ちょうど干潮に近い時間でしたので、磯で採集。
岩と岩の間の砂地を高速で移動していた物体を捕ってみたら、クサフグでした。
クサフグ Takifugu alboplumbeus
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普通種ですが、可愛いからいいですね。
追)シノニムがどうこうで学名が変更されたようです。(2016.09)

シマスズメダイ Abudefduf sordidus の幼魚とみられる個体
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オヤビッチャ Abudefduf vaigiensis の幼魚とみられる個体
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ギンユゴイ Kuhlia mugil の幼魚とみられる個体
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そして最後に
タネギンポ Praealticus tanegasima
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和名の"タネ"、そして学名の"tanegasima"、そう、あの種子島から得られた個体が元になって記載されたらしい種。他にタネハゼっていう種子島由来の魚もいるようですね。
と言っても本当にタネギンポで合っているのか、自信たっぷりなわけではないです。同属(タネギンポ属)のカブキギンポ P. striatus なる種もかなり似ているようなんです。ただ、軽く調べたところ、国内では記録が屋久島以南の南西諸島からのみで、薩南諸島での確認例は同属他種に比べると少ないようですので、これではなくタネギンポでいいんじゃないかなあ、と考えております。
カブキギンポとの識別点が「頬の斜走線は下部で合一する」かどうかで、この個体は繋がってるようにも見えるけどでも繋がってると言っていいのか微妙な線にも見えて、正直私にはよく分かりません。

その後はマングローブを眺めたり、川の河口部に行って採集してみたり。

サバヒー Chanos chanos の幼魚とみられる個体
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海岸に近い小河川の止水に群れていました。捕った時はなんだかよく分かりませんでしたが、あとで写真を見ていたら「サバヒー」がふと頭に浮かんできて、調べたらそれっぽいかな、といった次第。図鑑か何かで見た記憶が残っていたんでしょうか。合ってるかは知りません。

ウロハゼ Glossogobius olivaceus
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なかなか大きくて満足。これと同じくらいのサイズのマハゼもいました。

トビハゼ Periophthalmus modestus
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水辺でたくさん飛び回ってました。こういうのを自然下で見たのは初めてでしたので、感動。種子島以南にはミナミトビハゼってのもいるようですが、体側に微小黒色点があるので多分本土にもいるトビハゼなんだろうと思います。

海や川の下流部は採集経験がかなり少ないので、捕れば大体が初採集(初同定)の種ばかりですので、面白いですね。まあ海水魚だと同定が面倒だし自信をもって同定できなくなってくるので困るんですが。

その後は小牧橋を訪問したり、三日月湖を見に行ったり、改二さんが探したいというキムラグモなるクモを探しに林道を歩きましたが見つからなかったり。

夕飯は中種子の味の哲ちゃん。モリで食料調達をしつつ夜の海岸へ。オオヒョウタンゴミムシとかいうデカいやつを採集。
 
つづく


8日まとめMAP
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