山奥のレフア -Wish upon a mountain stream- 2017/11/21

昨年11月21日.

とある生物を探し求め,やってきたのは川の源流部.
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サワガニやカエル,標高が高ければサンショウウオなんかがいそうな沢.
しかし,今回の目的は魚類.普通に考えたらこんなところに魚がいるとは思えません.

少し水が溜まって淀んだところを探してみると,期待通り,いました.
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そう,トウカイナガレホトケドジョウ Lefua tokaiensis です.
東海地方の一部地域の山にしか分布していない,とても興味深い点が多いお魚.
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5月の遠征の際には,同じような環境に生息するナガレホトケドジョウ L. torrentisを観察しております.こちらは近畿西部~中国地方東部,四国の一部に分布しており,東海地方のものとは別種とされています.
トウカイナガレはこのナガレホトケよりも平地のホトケドジョウ L. echigoniaの方が系統的に近縁という,なかなか面白い関係性をしているようです.

さて,日本のフクドジョウ科魚類は,
フクドジョウ属の フクドジョウ
の2属6種が知られていますが,今回のトウカイナガレ採集により,日本産全種を観察することができたということになります.(関連記事:フクエゾヒメナガレ 
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記事自体は年が明けてから書いていますが,観察自体はすべて2017年中に行うことができ,目標達成.「日本のドジョウ」図鑑発売によって個人的にドジョウがかなり盛り上がった1年でしたが,そんな1年を象徴するのがこのフクドジョウ科制覇なんじゃないかと思います.

ナガレホトケドジョウ Lefua torrentis ,トウカイナガレホトケドジョウ Lefua tokaiensis新種記載により一部修正